1: ピンキリ速報がまとめています 2020/05/18(月) 13:44:53.80 ID:CAP_USER
大邱を襲ったコロナウイルス

 韓国南部の都市・大邱市は、ソウル、釜山に継ぐ第三の都市として古くから栄え、朝鮮戦争の戦火から逃れたため、古くからの建物が残る。夏は暑く冬は寒い盆地で、電子メーカーサムソンの生まれた土地であり、ワールドカップや世界陸上の開催地として知られている。
 そんな大邱は、2月末の集団感染をきっかけに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の猛威にさらされた。累計で7000人近い感染者が発生し、韓国国内の感染者数の過半数を占めた。中国以外の国での、はじめての感染拡大地域であり、大邱の市民たちはほとんど前例のない中での対応を迫られた。

 緊急出版された『新型コロナウイルスを乗り越えた、韓国・大邱市民たちの記録』(申重鉉編、CUON編集部訳)は、様々な立場の大邱市民51人が筆を執り、コロナウイルスとどのように向き合ったのかを綴ったエッセイ集だ。
 軽症患者を受け入れて治療する「生活治療センター」をゼロから用意することになった市役所職員は、「地面にヘディング」(無謀なことに挑戦するという意味の韓国の言い回し)な状況だと思いつつも、「危機に直面するのも人だが、危機を直面するのも人なのだ」と自分を励まし、155人が2週間生活できる施設の運営にあたる。

 ニュースの手話通訳士は、危険を認めながらも、マスクをしない。表情が重要な役割を担う手話においては、「顔を隠すことは、口を閉じて話すことと同じ」なのだと綴る。コロナをきっかけに、韓国では新型コロナウィルスのブリーフィングに手話通訳士がつくことになったという。
 ブックカフェの店主は、マスクを二枚重ねながら、営業停止中の店の観葉植物に水やりをしにいく。薄暗い店内を見て、常連たちの姿を思い出す。旅行会社の代表は売上がゼロになり、アルバイトをしながら再開できるまで耐え抜くことを決意する。

 定食屋の店主、クリーニング屋、ビューティサロン経営者、銀行員、スーパーの店長、図書館司書、花屋、教師、軍隊を除隊したばかりの青年、主婦、詩人、作家……市井の人びとの生活がどのように変わり、どのようにその変化を受け止めたのかが、この本にはぎっしりと詰まっている。

 現在、大邱は感染拡大のピークを乗り越え、抑え込みに成功している状況だ。「危機を先に経験した人たちからのアドバイスとして、日本の方に読んでほしい」と話すのは、本書の翻訳・出版をしたCUON代表の金承福(キム・スンボク)さん。
 CUONは2007年から、韓国文学の翻訳と出版を行う出版社であり、東京・神保町にあるブックカフェ「チェッコリ」の運営や、翻訳コンクール、翻訳講座、文学をテーマにした韓国旅行の主催など、幅広い取り組みを行っている。韓国で4月20日に発売された本書を、5月4日には翻訳してPDFで配布を開始した。異例のスピードで翻訳・出版した経緯とその思いについて、金さんにお話をうかがった。

● 異例のスピードでの翻訳

――出版の経緯を教えてください。

 大邱にある出版社・学而思(ハギサ)の社長である、申重鉉(シン・ジュンヒョン)さんのFacebookの投稿で、この本をつくっていることを知りました。それが4月18日のことです。日本語に翻訳したいとお願いし、PDFの原稿をいただきました。
 大邱の市民たちの賢い過ごし方、人を大事にする気持ち。原稿を読み、本当に感動しました。早く日本で出版したいと思い、私達の仲間、翻訳ができる人たちに声をかけ、翻訳し終ったのが4月30日。デザイナーさんたちにもご協力いただいて、5月4日にはPDF版の販売をはじめました。

朝日新聞:好書好日
https://book.asahi.com/article/13370476

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